## 1. まず全体地図 1 spokenText: まず全体地図。くろだくん、この本は、中動態を専門用語として暗記する本じゃない。能動は、主体から外へ向かう行為。受動は、外から主体へ来る影響。中動は、その二つだけでは見えにくい、主体が過程の中にいて、かかわりながら自分も変わる出来事を見るレンズだ。 sourceText: まず全体地図。くろだくん、この本は、中動態を専門用語として暗記する本じゃない。能動は、主体から外へ向かう行為。受動は、外から主体へ来る影響。中動は、その二つだけでは見えにくい、主体が過程の中にいて、かかわりながら自分も変わる出来事を見るレンズだ。 ## 2. まず全体地図 2 spokenText: ここで大事なのは、中動態を能動と受動の中間点とか、第三の便利な箱として固定しないこと。最初は、出来事をどの向きから見るかを変える道具、と考える。厳密な文法は後で足せる。この概略音声は、本文に入る前の地図。 sourceText: ここで大事なのは、中動態を能動と受動の中間点とか、第三の便利な箱として固定しないこと。最初は、出来事をどの向きから見るかを変える道具、と考える。厳密な文法は後で足せる。この概略音声は、本文に入る前の地図。 ## 3. まず全体地図 3 spokenText: 先にこれを聞いて、どの章で何を掴むのかを軽く持ってから読むと、迷子になりにくい。 sourceText: 先にこれを聞いて、どの章で何を掴むのかを軽く持ってから読むと、迷子になりにくい。 ## 4. 日常例から入る 1 spokenText: 第1章と第2章では、いきなり古代語に飛ばない。まず態とは、出来事と参加者の関係を文の形にどう見せるか、という話だと押さえる。そのうえで、慣れる、眠る、ハマる、身支度する、といった例を見る。 sourceText: 第1章と第2章では、いきなり古代語に飛ばない。まず態とは、出来事と参加者の関係を文の形にどう見せるか、という話だと押さえる。そのうえで、慣れる、眠る、ハマる、身支度する、といった例を見る。 ## 5. 日常例から入る 2 spokenText: ここでは、私が完全に操作しているとも、外から完全にされているとも言いにくい感じを拾う。たとえば眠るとき、明かりを消す、横になる、スマホを置く、までは自分でできる。でも、最後に眠りへ落ちるところは、命令だけでは動かない。 sourceText: ここでは、私が完全に操作しているとも、外から完全にされているとも言いにくい感じを拾う。たとえば眠るとき、明かりを消す、横になる、スマホを置く、までは自分でできる。でも、最後に眠りへ落ちるところは、命令だけでは動かない。 ## 6. 日常例から入る 3 spokenText: 慣れる、ハマる、回復する、決心が固まる、といった場面にも、この過程に入っていく感じがある。大事なのは、中動態を責任逃れの言葉にしないこと。オレからの注意、ここを雑にすると、あとで全部ゆるむ。 sourceText: 慣れる、ハマる、回復する、決心が固まる、といった場面にも、この過程に入っていく感じがある。大事なのは、中動態を責任逃れの言葉にしないこと。オレからの注意、ここを雑にすると、あとで全部ゆるむ。 ## 7. 古代ギリシア語とベンヴェニスト 1 spokenText: 第3章と第4章では、文法としての中動態に戻る。古代ギリシア語では、能動、中動、受動という態の区別が重要な手がかりになる。ただし、中動態はいつでも一つの意味だけを持つ箱ではない。 sourceText: 第3章と第4章では、文法としての中動態に戻る。古代ギリシア語では、能動、中動、受動という態の区別が重要な手がかりになる。ただし、中動態はいつでも一つの意味だけを持つ箱ではない。 ## 8. 古代ギリシア語とベンヴェニスト 2 spokenText: 主体自身に関わる行為、主体の利益になる行為、主体が巻き込まれる変化を見やすくする。古典語の細かい活用表を、最初から全部覚える必要はない。ここでは、自分に返ってくる行為、という感覚を持てば十分だ。そこからベンヴェニストの読み方へ進む。 sourceText: 主体自身に関わる行為、主体の利益になる行為、主体が巻き込まれる変化を見やすくする。古典語の細かい活用表を、最初から全部覚える必要はない。ここでは、自分に返ってくる行為、という感覚を持てば十分だ。そこからベンヴェニストの読み方へ進む。 ## 9. 古代ギリシア語とベンヴェニスト 3 spokenText: 能動では過程が主体の外へ向かい、中動では主体が過程の内部にいる。この言い換えが、この本の背骨になる。主体は消えない。でも、主体だけが外から世界を押している、という絵も弱まる。 sourceText: 能動では過程が主体の外へ向かい、中動では主体が過程の内部にいる。この言い換えが、この本の背骨になる。主体は消えない。でも、主体だけが外から世界を押している、という絵も弱まる。 ## 10. 意志と責任を細かくする 1 spokenText: 第5章では、意志と責任の話へ進む。こくぶん こういちろうの議論が広く読まれたのも、中動態が、自由意志か強制か、という二択をゆるめるからだ。でも、ゆるめることと消すことは違う。中動態のレンズは、責任をゼロにする道具ではない。 sourceText: 第5章では、意志と責任の話へ進む。國分功一郎の議論が広く読まれたのも、中動態が、自由意志か強制か、という二択をゆるめるからだ。でも、ゆるめることと消すことは違う。中動態のレンズは、責任をゼロにする道具ではない。 ## 11. 意志と責任を細かくする 2 spokenText: その人がどの過程に入り、どの条件に影響され、どこで選び直せたのかを問うための道具だ。意志を、頭の中の小さな王様みたいに考えると、習慣、言葉、身体、環境、人間関係が見えなくなる。逆に、全部が環境のせいだと言い切ると、本人が関われる場所も消えてしまう。 sourceText: その人がどの過程に入り、どの条件に影響され、どこで選び直せたのかを問うための道具だ。意志を、頭の中の小さな王様みたいに考えると、習慣、言葉、身体、環境、人間関係が見えなくなる。逆に、全部が環境のせいだと言い切ると、本人が関われる場所も消えてしまう。 ## 12. 意志と責任を細かくする 3 spokenText: 依存、習慣、教育、関係、身体の反応を見るとき、この細かさがかなり効く。 sourceText: 依存、習慣、教育、関係、身体の反応を見るとき、この細かさがかなり効く。 ## 13. 練習として使う 1 spokenText: 第6章では、実際に中動態のレンズを使う。問いは三つ。何が起きているのか。誰がどの過程に参加しているのか。どこで変化や責任を考えられるのか。本文では図解を見て、理解チェックを一問ずつ押し、章メモには、自分の例を書いてほしい。 sourceText: 第6章では、実際に中動態のレンズを使う。問いは三つ。何が起きているのか。誰がどの過程に参加しているのか。どこで変化や責任を考えられるのか。本文では図解を見て、理解チェックを一問ずつ押し、章メモには、自分の例を書いてほしい。 ## 14. 練習として使う 2 spokenText: 図解は、能動、受動、中動を見比べるための足場。理解チェックは、正解を当てるためだけじゃなくて、自分がどこで混ぜているかを見つけるために使う。章メモには、仕事、生活、学習、依存、習慣のどれでもいいから、自分の経験を一つ置いてみる。 sourceText: 図解は、能動、受動、中動を見比べるための足場。理解チェックは、正解を当てるためだけじゃなくて、自分がどこで混ぜているかを見つけるために使う。章メモには、仕事、生活、学習、依存、習慣のどれでもいいから、自分の経験を一つ置いてみる。 ## 15. 練習として使う 3 spokenText: 後で本を育てる材料にもなる。中動態は、能動か受動かの判定ゲームではない。出来事を荒く裁く前に、過程をほどいて見るための練習だ。結論。くろだくんは、まずこの音声を地図にして、第1章からゆっくり読めばいい。気になる人は第5章から戻ってもいい。 sourceText: 後で本を育てる材料にもなる。中動態は、能動か受動かの判定ゲームではない。出来事を荒く裁く前に、過程をほどいて見るための練習だ。結論。くろだくんは、まずこの音声を地図にして、第1章からゆっくり読めばいい。気になる人は第5章から戻ってもいい。 ## 16. 練習として使う 4 spokenText: かわいくないくらい実用的な道具として使おう。 sourceText: かわいくないくらい実用的な道具として使おう。